映画「青い」に著名人の方よりコメントをいただきました!
映画「青い」劇場公開にあたり、著名人の方よりコメントをいただきました!
・高橋栄樹(映画監督・Music videoディレクター)
中間を描く映画だ。
学生から社会人になるまでの中間、友人と恋人との間、男性と女性の間、
それらが夕刻から夜に向かう日没の間の、つかのまの青い時間に交錯する。
おそらく作家自身もその中間地帯にいる。
そうでなければ撮れない映画だと思いました。
窓辺にたたずむ二人の姿が美しい。
・湯浅弘章(映画監督)
誰しもかつて青い時代があったことを思い起こさせてくれる。
タイトルの通りこの映画も登場人物もまさに青い。
未熟で未完成で、でも完璧な作品には到達出来ない荒削りな魅力がこの作品にはある。
・中川駿(映画監督)
被写界深度の浅い映像、情緒的な音楽、ソフトフォーカス加工された空気感など…。
言ってしまえば、観客の自由な見方を許さない映画でした。
ただそれは必ずしも悪いことではなく、
作品に対する作り手の想いが、それだけ明確で、強いと言うこと。
鈴江くんが何故そこまでの想いでこの作品を作るに至ったのか。
そんなことを考えながら観ると、味わいがまた深くなる作品でした。
・前田聖来(映画監督)
「別になんだっていい。自分じゃなきゃいけないものがひとつでもほしいだけなんだ。」
それは、何かを作る人の一番の願望で何より贅沢なことかもしれません。
主人公の去る姿は監督と重なって途中ただただ泣きそうになってしまいました。
これが鈴江監督のスタートダッシュ。
青さがヒリヒリ胸に焼き付いて、とにかく私も映画が撮りたくなりました。
・西川達郎(映画監督)
『青い』で描かれる3人の教室はいつも柔らかな輝きに満たされている。
それは好きな人がここにいるという幸福な実感があるから。
でも、もしも本当の想いを口に出してしまったら、
この曖昧な関係はまるで、積み損なったジェンガのように全部崩れてしまう。
それが分かっているからこそ彼らの言葉は遠回りだ。それがとても切ない。
会いたい人に会いに行って、普段遠回しにしている言葉を直接伝えたい。
『青い』を見て強くそう思った。
そういえば自分も高校生の頃、
誰に見せるでもなくフィルムカメラを始めた事を思い出した。
やがて触らなくなってしまったけども、
あの頃誰かに写真を見せていたら、きっと続けていたんだろうなと思う。
・櫻井保幸(俳優)
思い出は、常に逃避する。
放っておけばどんどん離れ、歩み寄れば歩み寄るほどに遠くへ行ってしまう。
あの日の思い出も、いつかのあの想いも、やがては色褪せて消えていく。
僕にとって『青い』は、もう既に青くない。
エンドロールが終わった後、いつの間にか色を失っていた。
だけど確かに、懸命に、青く色を発していたことを知っている。
僕は、その青さを、いつまで覚えているだろうか。覚えていたいだろうか。
・常間地裕(映画監督)
彼等の眼差し…彼等の見ていた世界のその先…
あの頃の自分達はどんな人達と、どんな気持ちで、どんな時間を過ごしていただろうか。
彼等の姿を見て、言葉を聞いて、思い出してみたくなった。
あの頃の写真を見返してみたくなった。
そこに映っている十代の心は弱くて脆い、のかもしれない。
だけどいつか振り返った時に、あの日々があったからこそ『今』があるのだと、
そう思える人になっていたい。
鈴江監督の描く『青い』世界はそんな事を思わせてくれた。
・エーデルワイス門田樹(お笑い芸人・映像作家)
「なんだこれ。頭の中から誰かの思い出を覗いてるみたいだ」
上映中ずっとそう感じていた。
その思い出は49分かけて僕の頭にすっかりインストールされてしまい、
今では僕の思い出だ。
もし出演者と街ですれ違う事があったら「ひさしぶり」と声をかけてしまうかもしれない。
・芦原健介(俳優・映画監督)
放課後の校庭には、少年少女達の楽しげな声が響き渡っている。
そんな喧騒から隔離された薄暗い部室で、主人公たちが慎重に積み上げた青い関係性。
未熟だからこそ愛おしい、儚いからこそ美しい瞬間があの部屋には溢れていた。
彼らに対しての鈴江監督のまなざしは優しくもあり、どこか自虐的でもある。
その態度は自らの青さと向き合い、決別しようという監督の覚悟なのかもしれない。
・中嶋駿介(映画監督)
眠っている友達の髪にそっと触れる。
たったそれだけなのに、なんでこんなにもドキドキしちゃうのだろうか…。
散りばめられた極私的エモを大切に心に仕舞い、時々開けて眺めたくなる。
そんな映画です。
・唯野浩平(映画監督)
壁を隔てて遠くから聞こえる人の声、
雑踏があの部屋に集まる3人を取り残していくようで、
そこに存在する青さは映像が始まった瞬間から終わりを告げていました。
意味のない会話が生み出す時間の流れはどこかで見た記憶に触れて来ます。
関係の壊れない言葉を探そうとすればするほど、
沈黙から伝わってしまう意思は止めることもできず
3人の青さを加速させていくように感じました。
・村瀬大智(映画監督)
不安定で境界線が曖昧なショットがこの物語を支配している。
振り返れば環境や境遇は全く違うが、
高校生の何者でもなかった時間はいつだって不安定で曖昧だった。
人はそれぞれ「青い」を抱えて生きている。
コメントをお寄せいただいたみなさん、ありがとうございました!
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