単独での上映ができていなかったことずっと心残りでした。


去年悲しいニュースを見て、そこに飛び交っていた冷たい言葉。

なんで自分には何も出来ないんだろう。

泣いても怒っても何も変わらない。

無力に何度も負けたけど、作品に出来ることがまだあるはずと信じて昨日までを迎えました。


各地の映画祭で上映していただいてから、辛さに甘えて何もしてこなかったので、

「20人来たら大万歳。来た人に本当に感謝して誠実に取り組みましょう。」

と周りには言っていたけれど、

100人以上の申し込みがあるなんて全く想像していませんでした。

来れなくなっちゃった方もいるし、来たくても予定が合わない方もいたと思いますが、

こんなに沢山の人に時間が経っても気にかけてもらえてたこと、すごく救われました。

上映は人数とかじゃもちろんないけれど、希望をもらいました。


この1年は上映もなかったですし、バイトと生活の往復だったので、

これまでの上映と違ったのは、自分を「監督」だと思わなくなったのと、

観てくれる人を「お客さん」と遠いものだと思わなくなりました。

(お金を頂かない上映というのも大きいかもしれません)


ちゃんと全員が自分と同じ人間で背負ってる人生が見えました。

だから今までで一番怖い上映でした。

嘘をついて臨むことだけはしないと決めて当日を迎えました。


作品に込めたことがすべてだし、

スクリーンを見つめるみなさんの眼差しがすべてで、

その後お話したことにも嘘はないので、

それを安くしてしまうような復習はせず、大事に心にしまいたいと思います。

みなさんの心にほんの一瞬でも触れられたのなら、それが褪せても嬉しいことに思います。

一人一人にまた恩を頂きました。


(SNSでの感想も一つ一つ本当にありがとうございます。

返信できないのですがメッセージもきちんと見れてます!)




当日、来た方にはフォトブックをお渡ししました!

エンターテイメントはいかに観てくださった方に何を持って帰ってもらうかだと思うし、

ずっと待ってくれていた方に感謝が伝えたかったので。

今後配るものではないのですが、少しでもお気持ち受け取ってもらえたら嬉しいです。




2年半の月日が経てば自分の人生にも実感が増えてくるし、

ようやく冷静に作品の事も見えてきて、課題が明確になった二日間でした。


映画は衝動と底力だけで今までひとつも努力してこなかったのですが、

きちんと修行してこようと思います。

SNSはあんまり更新しなくなると思いますが、

また映画で会えるように生きていきます。



26歳になりました。

まだまだ若いと言われると今まで嫌な気持ちになりましたが、

まだこの先の人生で何に出会えるかワクワクするし、

何に出会えたらそう言ってくれる人のようになれるんだろうと今は楽しみがいっぱいです。


決しておろそかに生きないよう、

ひとりの人間として筋を持って生きていきます。


映画でまた会いましょう🌞




鈴江誉志

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映画監督 / SUZUE Takayuki